Wednesday, May 09, 2012

ESからALS症状の細胞、京大、病態解明や薬開発に


ヒトES細胞から作った運動神経細胞。SOD1遺伝子に異常がないもの(左)に比べ、異常のあるものにはALSで起きるのと同じ細胞死が見られる(京都大提供)  全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と同じ症状が現れる細胞を、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)から作ることに京都大のチームが成功し、9日付の米科学誌電子版に発表した。  ALSは、運動をつかさどる神経が失われるなどして発症するが、根本的な治療法は見つかっていない。今回、さまざまな細胞や組織になるヒトES細胞から、ALSの症状が出る運動神経細胞を世界で初めて作製したもので、病気のメカニズム解明や治療薬開発が期待できるという。  チームによると、近親者に患者がいる家族性のALSの一部では「SOD1」という酵素を作る遺伝子に異常が見つかっている。  チームはヒトES細胞に、異常な状態にしたSOD1遺伝子と、異常のないSOD1遺伝子をそれぞれ組み込み、二つのタイプの運動神経細胞に分化させて比較。約5週間後、異常のあるタイプの運動神経細胞は、異常のないものよりも細胞死が約20倍多く、ALSと同じ症状が観察された。  患者の運動神経細胞にできる異常なタンパク質などのかたまりも見つかった。  ALSの約1割は家族性、9割以上は家族性でない孤発性とされ、チームの中辻憲夫教授は「孤発性の発症にもSOD1が関わっているとの報告もあり、すべてに効果がある薬の開発に役立つかもしれない」と話す。(山陽)

0 Comments:

Post a Comment

<< Home