特定の遺伝子の働きを抑えて、血中の悪玉コレステロールの量を下げる新しい薬物を、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)や大阪大、東京理科大のチームが開発し、15日付の米科学誌電子版に発表した。
チームによると、高コレステロール血症の治療は一般的に、コレステロールを低下させるスタチン系の薬が使われるが、一部の遺伝性の患者では効きにくかった。新たな薬物はマウスで悪玉コレステロールが約40%減ったが、ヒトでも期待できるとしている。
この薬物は、遺伝子から作られるリボ核酸(RNA)とくっつき、遺伝子の働きを抑制する「アンチセンス」という薬物を改良したもの。
チームは、悪玉コレステロールが減るのを邪魔する遺伝子の働きを抑えるため、「架橋型人工核酸(BNA)」という物質を利用して新型アンチセンスを作った。
マウスに2週間、高コレステロール食を与えた後、6週間に計12回新型アンチセンスを注射。その結果、生理食塩水を注射したマウスと比べ、悪玉コレステロール量が43%減った。副作用は確認されなかったという。
国立循環器病研究センターの斯波真理子病態代謝部特任部長は「3年後にはヒトで臨床応用したい」としている。働きを抑えたい遺伝子の情報が分かれば、がんや感染症など他の病気にも応用できるという。(山陽)
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