広島市の松井一実市長は10日、共同通信のインタビューに応じ、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」の範囲拡大について「(原爆の日の)8月6日までに国は新たな決断をしていただきたい」と述べ、拡大に向けた政治決断を国に求める考えを示した。
厚生労働省の有識者検討会は、データ不足などを理由に「降雨域の確定は困難」との最終報告案を9日に出している。
松井市長は従来の被爆者援護政策について「すべてががちっとした科学的知見に基づいたものではない側面がある」と指摘。降雨域の住民の高齢化が進んでいることを考慮すべきだとした上で「科学的知見重視の議論を超えて早く判断してほしい。人の情に訴える局面に来ている」と主張した。
また「8月6日には総理も(平和記念式典で)あいさつする。まだ少し時間があるので広島県や関係自治体と連携していきたい」として、式典までに積極的に国に働き掛ける姿勢を示した。
一方、式典で市長が読み上げる平和宣言については、脱原発依存を掲げる国の方針を支持する文言を盛り込むことをあらためて強調した。
ただ盛り込む表現については、具体的な提案には言及しない考えを明確にした。(山陽)
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