がんを攻撃している患者の免疫細胞を取り出し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、元気な免疫細胞に生まれ変わらせることに成功したと理化学研究所のチームが4日付の米科学誌に発表した。試験管での実験段階だが、がんの免疫療法に応用できる可能性もあるとしている。
どんな細胞にもなり得るiPS細胞を利用することで、体内の免疫細胞を活性化させる従来の免疫療法よりも、寿命が長く大量の免疫細胞を得られるのが利点。
免疫細胞のうちリンパ球は、いったんiPS細胞となっても、それ以前に攻撃していたがんの特徴を“記憶”する性質があり、ほかの細胞を材料にするより効率が良いという。
チームは、悪性度の高い皮膚がんの「悪性黒色腫」の患者から、がんを攻撃しているリンパ球の「T細胞」を取り出し、iPS細胞を作った。再びT細胞へと分化させ活性化させたところ、試験管内でがん細胞を活発に攻撃する能力があるのを確認した。
T細胞はがん細胞を認識する際に、遺伝子の並び方を変えてがんの特徴を記憶する。そこからiPS細胞を作ると、遺伝子の並び方にがんの特徴が保存されているため、以前と同じがんを攻撃する。
理研の河本宏チームリーダーは「動物実験で効果を確認したい」としている。(山陽)
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