生活習慣病などで手足の末端の血管が詰まり血流が悪くなる末梢動脈疾患の患者に、骨髄の細胞などを注射して新たに血管を作らせ血流を回復する治療が、より効果的に実施できる素材を大阪市立大医学部と近畿大生物理工学部(和歌山県)が開発、19日付米オンライン科学誌に発表した。
細胞だけを注射しても拡散し効果が落ちることがあるため、細胞を吸着し患部にとどめる微粒子を作製した。マウスに一緒に注射すると、治療効果が向上した。
福本真也大阪市立大講師は「3年後にはヒトでの臨床試験を始めたい。血管の異常が原因の心筋梗塞や脳梗塞治療にも応用できるかもしれない」としている。
チームによると、末梢動脈疾患は糖尿病や動脈硬化などにより発症。手足の末端に血液が届かず、重症になると壊死して切断に至る。国内の推計患者は100万人以上。
微粒子は、細胞とくっつきやすい物質「ハイドロキシアパタイト」の直径約0・05マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の粒で別の物質の表面を覆ったもの。これが“足場”となり新たな血管が作られる。
この微粒子を、血流をなくしたマウスの後ろ足に骨髄細胞と混ぜ注射した結果、細胞だけの注射と比べ、1週間後で4~5倍の細胞が患部にとどまり、血管の量が7倍になり、壊死も減った。(山陽)
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