岩手医大(盛岡市)は、岩手県内の仮設住宅で暮らす東日本大震災の被災者の血圧データを、通信回線で住宅から大学のサーバーに送る医療支援を始める。目の行き届きにくい仮設の住民の健康状態を定期的に把握し、高血圧症の発症などを防ぐのが狙い。
医療支援名は「三陸海岸血圧ネットワーク検診」。携帯電話の通信回線で測定データを送信できる、専用の血圧計を使う。血圧のデータは岩手医大で解析し、異常があればかかりつけの医師に連絡を取って、診察に役立ててもらう。
陸前高田市や山田町などの仮設住宅に50台を配布して試験送信を既に開始。8月までに釜石市や大槌町などにも150台を配って、本格的な運用を始める。
岩手医大は震災後、岩手県内で主に避難所生活を送った40歳以上の被災者1435人の健康調査を定期的に実施。3カ月以上たっても高血圧状態が続く住民が821人に上った。
地震や居住環境の変化といったストレスが原因とみられ、震災から1年以上経過した現在も、血圧が戻らない被災者が多いという。
岩手医大の寺山靖夫教授は「血圧が高いと脳梗塞を起こす危険性がある。血圧チェックで被災者の健康管理をするとともに、データを分析し将来の災害時医療にも役立てたい」と話している。(山陽)
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