ES細胞から下垂体、複数組織絡む臓器で世界初
ES細胞から作られた人工下垂体(中央のリング状のもの)と隣接する視床下部組織(左上)(理化学研究所提供) さまざまな組織や細胞になるとされる胚性幹細胞(ES細胞)から立体的な下垂体を作ることに、理化学研究所と名古屋大のチームがマウスで成功し、10日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
下垂体は脳の一部の間脳に接し、生命の維持や成長に必要な多様なホルモンを放出する内分泌の中枢器官で、ヒトでは直径1センチ程度。視床下部など二つの組織が相互に作用して発生に必要な環境ができるため、ES細胞などの幹細胞で作ることは困難だった。
理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹グループディレクターは「複数の組織の働きで形成される臓器を作ったのは世界で初めて。再生医療の範囲をより広げられる」と説明。機能することも確認しており、ホルモンの分泌が低下する下垂体機能不全などの治療に応用が期待されるとしている。
チームは、下垂体の形成を誘導する化合物を加え、マウスのES細胞1万個を容器に浮かせて立体的に培養した。約20日後には、ES細胞の塊の中にできた視床下部と口腔外胚葉という二つの組織が相互に作用し、下垂体ができた。(山陽) Tweet

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