Monday, February 06, 2012

飲酒後の頭部外傷に有効

タンパク質阻害剤の投与
 飲酒後に頭部に外傷を受け、直後の検査では異常がなくても半日~1日後に脳浮腫で死亡する症例の治療について、札幌医科大の松本博志教授(法医学)のグループがタンパク質阻害剤の投与が有効であることを実験で確認し、米病理学会誌に発表した。早期の臨床実験開始を目指している。
 松本教授によると、飲酒後に交通事故などで頭を打った患者が、事故直後は意識がはっきりし、CT検査などでも異常がなかったのに、その後、急死する症例がある。脳神経外科医の間では知られていたが、メカニズムは分かっていなかった。
 実験には軽度の脳挫傷を人為的に起こしたラットを使い、このうち、アルコールを投与したグループは脳浮腫で24時間後に約半数が死亡、投与しなかったグループは死亡例がなかった。MRI写真などから、前者には脳浮腫の発症に関連するタンパク質「AQP4」が発生していたことも分かった。
 アルコールを投与した別のグループにAQP4を阻害する薬剤を投与したところ、脳浮腫が軽減され、すべてのラットが生存したという。
 松本教授は「交通事故の頭部外傷後、自宅で急死したケースなどでは、因果関係が分からず医療ミスが疑われたケースもある。解決につなげたい」と話している。(山陽)

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