Wednesday, May 30, 2012

見えない急流、命の危険 海保が離岸流調査


海水浴シーズンはもうすぐ。気を付けたいのが沖に向かう早い海流「離岸流」だ。離岸 流が原因とみられる水の事故は全国で後を絶たず、県内では昨年、3人が命を落とした。 離岸流の危険とはどんなものか。第9管区海上保安本部(新潟市)が28日、内灘町の内 灘海水浴場で行った調査に同行し、「離岸流に流される実験」に参加した。(小林広大)  調査会場では、9管本部海洋情報部や金沢海上保安部の職員ら約50人が海水を緑に着 色し、衛星利用測位システム(GPS)機能の付いたブイを浮かべていた。見えない流れ を見えるようにするのだ。「今のところ、離岸流は確認できませんが、突然発生すること があります」。金沢海上保安部の山下敏幸警備救難課長が海の状況を説明してくれた。  この日は波高約50センチ、風速1メートル、水温21度で「海水浴に最適の条件」( 海保関係者)。「海猿」として知られる機動救難士の補助を受け、比較的静かな海に浮か ぶ。約20分で砂浜から沖に約40メートル移動した。浮かんでいる間はほとんど感じな かったが、微妙な流れは確認できた。知らない間に流されるとしたら、十分危険に思えた 。  9管本部は昨年も調査を実施。山下警備救難課長によると、離岸流は速いと毎秒2~3 メートルに達し、競泳選手でも流れに逆らって泳ぐことは不可能だ。しかも、幅10~3 0メートル、長さ数十~数百メートルになる恐るべき急流なのだ。  発生の詳しいメカニズムは解明されていないものの、海底が周囲より深くなっている場 所では沖向きの流れが生まれやすいという。  万一、遊泳中に巻き込まれた場合はどうすればいいのか。機動救難士の小笠原義彦さん (33)は「まずは慌てずに流れに身を任せ、沖への流れが収まった時点で海岸線と平行 に泳いで」と話す。漂流しているペットボトルや流木などを抱えるだけでも浮力が付き、 溺れにくくなるそうだ。  県内では昨夏(7~8月)、離岸流が原因とみられる海難事故が内灘海岸や金沢市粟崎 浜町の海岸などで6件発生した。2009年は3件で1人死亡、10年は5件で2人が死 亡した。  「要救助者を発見できなかったことを、その家族に伝えることほど悲しいことはない」 と小笠原さん。離岸流という大きな自然の力にはまともに対抗できない。だからこそ、身 を守る方法を十分知っておく必要がある。(北国)

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