1968年に西日本一帯で起きた食品公害・カネミ油症の被害が集中した長崎県五島市の玉之浦町と奈留町で、被害発生から10年にわたり死産率が通常の2倍超となっていたことを、岡山大大学院の頼藤貴志准教授(環境医学)らが20日までに突き止めた。カネミ油症の影響が胎児にまで及んだ可能性を示す研究として注目されそうだ。
調査では、厚生労働省の人口動態統計に基づき、58年から94年までの両町の死産率を算出した。被害発生前の58~67年の10年間は両町の出生児数は3036人、死産は73人。死産数の割合を示す死産率は2・3%だった。
被害発生後の68~77年は出生児数1495人に対し死産が80人に急増。死産率は5・1%で、発生前の約2倍に達した。その後、78~87年も死産率は4・2%に高止まりし、88~94年にようやく1・2%に減少した。
また、出生児のうち男児の割合も減少していた。女児に比べ、男児は化学物質に弱いことが影響したとみられる。
玉之浦町と奈留町は、長崎県西部の五島列島にそれぞれ位置し、住民の多くが有害な米ぬか油を使い、カネミ油症被害を受けたことで知られる。
頼藤准教授は「カネミ油症による胎児への影響は未解明の部分が多い。国は実態把握を急ぐべきだ」と指摘した。(山陽)
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