統合失調症の患者の脳では、行動の計画や実行、記憶といった認知機能に関わる神経活動を調整する遺伝子の働きが低下していることを発見したと、金沢大などのチームが30日付の米医学誌電子版に発表した。
この遺伝子から作られるタンパク質が減って、神経活動がうまく調整されないとみられるという。チームの橋本隆紀金沢大准教授は「この遺伝子を働かせることで、認知機能を改善させる治療法の開発につながる可能性がある」としている。
認知機能を担う大脳の部分には「パルブアルブミン陽性細胞」と呼ばれる細胞があり、周囲の神経細胞の活動を調整している。陽性細胞の働きで周囲の神経がまとまって活動するようになり、効率的に情報を処理できるようになる。一方で統合失調症では、陽性細胞の働きが低下し、神経活動に乱れが起こることが知られている。
チームは、陽性細胞の表面にあり、細胞内外の物質が行き来する通路を作る「KCNS3」というタンパク質に注目。遺族の同意で提供された脳を保存している米国の脳バンクを利用し、患者の脳を健常者のものと比べたところ、陽性細胞でKCNS3を作る遺伝子の働きは4割低下していた。
KCNS3が十分に作られないことで陽性細胞が働かず、周囲の神経がばらばらに動き、情報処理が混乱していると考えられるという。(山陽)
0 Comments:
Post a Comment
<< Home