妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を、中国の遺伝子解析会社が日本国内で始めたことが分かり、日本医学会は23日、十分な遺伝カウンセリングができる施設で行うとの指針に違反した状態で行われている疑いがあるとの懸念を表明した。
この会社は世界で遺伝子解析を手掛けるBGIの関連会社。日本では神戸市に事務所があり、ホームページでダウン症など3種類の染色体異常が分かると宣伝する。これまでの取材に「既に(国内の医療機関から)申し込みを受け、診断を実施した。詳しい内容は話せない」としている。
新出生前診断は、日本産科婦人科学会の指針で十分な遺伝カウンセリングの実施や臨床遺伝専門医の資格を持つ産婦人科医または小児科医の常時勤務などを求めており、体制が整っている医療機関を日本医学会が認定して4月に始まった。
だがこの会社は認定施設以外で行っている可能性があるとして、日本医学会は「大変遺憾だ。日本の現状を理解の上、指針を順守した事業をしてほしい」とする文書を発表した。
新出生前診断を扱う委員会の福嶋義光委員長(信州大教授)は記者会見で「十分なカウンセリングがないと、安易な人工妊娠中絶や、先天異常や障害がある人を排除する風潮が広まる懸念がある」とした。
日本医学会や日本産科婦人科学会など関連5団体はこれまでに、指針の順守を求める共同声明を公表。開業医らでつくる日本産婦人科医会も23日までに会員の医師に慎重な対応を呼び掛けた。(山陽)
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