脳梗塞が起きた際、死んだ細胞から放出されたタンパク質が、さらなる症状悪化の引き金となることを、慶応大医学部の吉村昭彦教授(免疫学)らが発見し、20日付の米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
脳梗塞は、発症直後に投薬治療を始めることが、まひなどからの回復のため重要とされる。だが、今回分かった症状悪化の仕組みは発症の少し後に働くため、このタンパク質の働きを邪魔することで、治療開始が遅れた場合の有効な治療法に結び付く可能性がある。
脳梗塞の国内患者は推定96万人。脳の血管に血の塊が詰まって酸素や栄養が送られなくなり、組織が死んでしまう。発症後に炎症が起きると、脳の組織が腫れ、損傷がさらに広がっていく。
吉村教授らはマウスを使った研究で、死んだ脳細胞からペルオキシレドキシンというタンパク質が放出され、これが周囲にある免疫細胞の表面にくっついて刺激し、炎症を起こす物質を作らせていることを発見した。
そこで、このタンパク質が免疫細胞にたどり着く前につかまえてしまう抗体を作り、脳梗塞のマウスに注射すると、炎症が抑えられたという。
筑波大、大阪大、岡山大、九州大、福岡歯科大などとの共同研究。(山陽)
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