Wednesday, June 20, 2012

神経細胞機能に胎児期の影響、九州大が初めて解明


大脳皮質の神経細胞の機能は、胎児のときにどの神経幹細胞からできたかによってほぼ決まることを、九州大の大木研一教授(神経科学)と米マサチューセッツ大のチームがマウスを使った実験で解明し、20日付の米科学誌電子版に発表した。  神経細胞の機能は遺伝的に決まるのか、生後の脳の活動や外界からの刺激で決まるのか、長く議論されてきたが、大木教授らは、今までまったく分からなかった胎児期の影響が大きいことを初めて突き止めた。神経回路発生のメカニズムを解明する重要な手掛かりになりそうだ。  実験では、遺伝子組み換えマウスを使い、大脳皮質の視覚に関係する神経細胞が胎児期に、どの神経幹細胞からできるかを観察。生きたまま脳内を観察できる「2光子顕微鏡」で、特定の神経幹細胞からできた神経細胞について、光の刺激に対する反応を計測した。  この結果、同じ神経幹細胞からできた神経細胞の約60%が、同じ機能を持つことが判明。胎児期に多くの機能が決まることが分かった。  残る約40%の神経細胞は別の機能を持っていたため、生後の発達過程も機能の決定に影響していると考えられるという。  大木教授は「神経細胞の機能がどのように決まるかは、マウスよりも高等な、ヒトなどの哺乳類でも胎児期の影響が大きい可能性がある」と話している。(山陽)

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