火星への有人宇宙飛行を想定して、地上の閉鎖空間で520日間暮らす実験をしたところ、参加した6人の男性の多くに体内時計の乱れが原因とみられるさまざまな不眠症状が現れたと、米ペンシルベニア大などの研究チームが7日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
米国は2030年代に火星有人飛行を目指しているが、成功には飛行士の睡眠を保つための工夫が必要だと研究チームは指摘。実際の飛行では宇宙放射線や微小重力による人体への直接の影響もあり、課題は山積だ。
実験は10年6月から11年11月までロシアの研究所で実施。ロシアやフランス、イタリア、中国の参加者が宇宙ステーションの居住棟に似た隔離施設に入り、打ち上げから飛行、火星着陸を経て地球に帰還するシナリオに沿って共同生活した。
太陽光が届かない環境のため、実験が進むにつれて昼夜のリズムが乱れて、参加者のうち4人の睡眠の質が顕著に低下。90日後には、グループ全体として起きている間も体を動かす度合いが少なくなり、寝床などで休息する時間が増えた。残り期間が20日になると、実験終了を心待ちにして逆に行動が活発になる現象も見られた。
宇宙飛行を想定した過去の隔離実験は240日が最長。南極基地では363日の越冬記録があるほか、ロシアの宇宙ステーションで437日の滞在記録がある。(山陽)
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