Wednesday, February 27, 2013

血液細胞で食欲抑制、滋賀医大、摂食障害治療に


血液細胞が脳内の食欲をコントロールする中枢に移動して働くことで、食欲を抑制している仕組みを滋賀医科大の小島秀人准教授のチームが解明した。成果は26日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。  小島准教授によると、これまで脂肪や胃の細胞による食欲調節の仕組みは分かっていたが、血液細胞の働きによるものが明らかになったのは初めて。拒食症や過食症など摂食障害の治療につながる可能性があるという。  研究ではマウスを使い、血液細胞が脳の視床下部にある神経組織に入り込んで、摂食を抑える働きを持つタンパク質「脳由来神経栄養因子」(BDNF)を分泌していることを突き止めた。  血液細胞でBDNFを作れないよう遺伝的に変化させたマウスは摂食量が増えて肥満になったが、BDNFを作れるように回復させると摂食量が減ることを確認した。  小島准教授は「BDNFの遺伝子は統合失調症やアルツハイマー病などとの関連も報告されており、血液細胞の働きを解析することで、これらの疾患の新たな治療にもつながれば」としている。 (山陽)

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