Friday, February 22, 2013

脳神経細胞内に毒性物質、孤発性アルツハイマー


高齢での発症が多く遺伝とは関係のない「孤発性」のアルツハイマー病患者の大脳の神経細胞内部に、病原となる毒性物質が蓄積するケースがあることを、患者の細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って京都大や長崎大のチームが確かめた。22日付の米科学誌セル・ステム・セルに発表した。  チームによると、脳内の神経細胞の状況を、さまざまな細胞や組織になる能力があるiPS細胞を利用して体外で再現し、患者の多い孤発性で内部蓄積を実証したのは初めて。  チームの井上治久京大准教授は「生存中に蓄積を確かめられ、早期診断できる可能性がある。予防や薬剤開発にも役立てたい」とした。  アルツハイマー病は、蓄積した毒性物質「ベータアミロイド」が神経を傷つけるのが原因とされる。チームによると、遺伝的要因が大きく若年で発症する「遺伝性」患者では、死後の解剖や、異常遺伝子を導入した体外での細胞実験で、神経細胞の内外でたまりやすいことが分かっていたが、孤発性は遺伝に関係なく起き、死後変化の影響も排除できず確認が困難だった。  研究では、ベータアミロイドのもとになる物質の遺伝子に変異がある遺伝性患者2人と、変異のない孤発性患者2人の皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作製。(山陽)

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