Sunday, March 03, 2013

薬に頼らず拒絶反応抑制、北大など臨床試験で


肝臓移植後の拒絶反応を抑える新手法を使った臨床試験を北海道大と順天堂大のチームが行い、患者4人が免疫抑制剤に頼らずに生活できるようになったことが2日までに分かった。新手法は生体肝移植を受けた患者10人に対して行い、ほかの6人も薬の量を減らすことができた。  拒絶反応は、移植された肝臓を、患者の免疫細胞のリンパ球が“異物”として攻撃することで起きる。免疫抑制剤なしで拒絶反応を抑えられれば、患者の負担軽減や生活の質の向上につながりそうだ。  藤堂省・北海道大特任教授(移植外科)は「待っている患者がたくさんいるので、早期の実用化を目指したい」と話している。  新手法は、臓器の提供者と移植を受ける患者の双方のリンパ球と、特殊な抗体を混ぜて培養。移植から2週間後に患者の体内に戻す。患者のリンパ球は、培養している間に提供者側の肝臓を異物として認識しないようになるという。  北大病院で2010年11月から30~60代の男女10人に新手法を適用。このうち4人は2月末現在、半年から2カ月の間、免疫抑制剤なしで生活ができている。残りの6人も、週1回~1日1回程度まで薬を減らすことができた。免疫抑制剤は通常、1日2回服用する必要があるという。(山陽)

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