環境省は14日までに、感覚障害だけでも水俣病の患者と認定することが可能だとする内容の通知を、関係する自治体に出す方針を固めた。これまでは原則、手足の感覚障害に加えて他の症状があることが必要だった。ただ、認定基準そのものは変更せず、根本的な見直しにはならないため、被害者側の反発は必至だ。
関係者によると、感覚障害しかない被害者は、メチル水銀の摂取歴や居住歴、発症時期など因果関係を具体的に調べた上で認定の可否を決める。環境省は詳細な条件を含め、熊本県などと詰めの調整を続けている。
最高裁は4月、感覚障害の症状しか診断されなかった熊本県水俣市の溝口チエさん(1977年に77歳で死亡)を水俣病と認め、県の上告を棄却する判決を言い渡した。10月には国の公害健康被害補償不服審査会も最高裁判決を踏襲し、感覚障害だけで水俣病と認める裁決を出した。環境省は、基準の変更は否定しつつ、運用の在り方を検討していた。
77年に出された現行の認定基準は、基準の原則条件に当たらなくても「総合的に検討する必要がある」としている。だが、熊本県によると「総合的検討」で水俣病と認められたのは県内で4件しか確認されておらず、いずれも感覚障害単独の症状ではなかった。
石原伸晃環境相は13日の記者会見で「(事務方と)議論を2度ほどしたが、私が納得するに至っておらず、この問題に結論を出すべく努力している。調整がさらに必要だ」と述べていた。(山陽)
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