リング状の異常な染色体を持つ先天性疾患の患者の皮膚から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ったところ、異常が修復されたとの研究結果を、米グラッドストーン研究所などのチームが12日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
チームの林洋平研究員は「修復の仕組みは不明だが、修復されたiPS細胞を臓器や細胞に変化させ、患者本人に移植する再生医療に応用できる可能性がある」と話す。研究には京都大の山中伸弥教授も参加した。
染色体は細胞内にあり、通常は棒状。今回の染色体は両端が部分的に切断された後、結合してリング状になっている。切断時に遺伝子が失われており、出生異常や発育不良、がんにも関与するとされる。
チームは、リング状の染色体を持つ患者3人から皮膚細胞を採取し、iPS細胞を作製した。すると、6割以上のiPS細胞でリング状染色体がなくなっており、修復されたことが分かった。
リング状染色体はもろくて消失しやすく、細胞が増殖する力が低下する。チームは、iPS細胞作製のため長期間、細胞を培養する過程で、正常な染色体を持つ細胞がまれにでき、増えることで修復されたと推測している。
林研究員は「画期的な再生医療になるかもしれない。染色体修復後のiPS細胞から組織や細胞を作り、問題がないか調べたい」と話す。(山陽)
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