Sunday, April 13, 2014

国が研究倫理教育強化に乗り出す 「知らなかった」許さず


STAP論文問題など研究不正が相次いで発覚する中、国は10日までに本格的な研究倫理教育の強化に乗り出した。研究者側が応募する「競争的資金」の一部で「研究倫理に関する教育を履修しているかどうか」を配分の条件とする方針だ。  STAP論文を執筆した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが画像の切り貼りを「悪いことだと思わなかった」と述べたことで、関係者は危機感を募らせている。国の担当者は「問題が起きてから『知らなかった』と言う人にはお金が行かない工夫をする」と話している。  対象となるのは、政府が2015年の設置を準備する「日本医療研究開発機構」が配分する資金。政府が約1200億円を投じ、新たな医療技術の開発促進を目指す「日本版NIH」とも呼ばれる組織だ。教育支援の方法も検討する。  この機構以外でも、資金配分の条件とまではしないが、研究者に倫理教育の履修を義務づける。また研究機関に対し、不正防止に責任を持つことや、研究者の実験ノートや生データを保存し、公開することを求める。  政府機関の一つである科学技術振興機構(JST)では既に、信州大など国内6大学が編集した、国際標準の研究倫理を学ぶオンライン教材の履修を義務づけている。米国発祥の教材で、論文著者の責任のあり方や不正の種類など「常識」の習得を目指す。大学を中心に59機関が利用、最近1年半で1万人以上が利用登録している。  米国では監視機関を設置し、不正を取り締まろうとしてきたが、根本的な問題解決にはならなかった。このため現在は倫理教育に力を入れているという。  教材作りを進めてきた市川家国・信州大特任教授は「STAP問題で教育の必要性が認識された。今後広く使われるだろう」と話している。(山陽)

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