Wednesday, January 18, 2012

分子の補充でがん細胞死滅、成人T細胞白血病で確認

血液のがん「成人T細胞白血病」(ATL)の細胞では、微小なリボ核酸(マイクロRNA)という分子の一種が正常な細胞に比べて激減しており、この分子を補充するとがん化した細胞を殺せたとの実験結果を、東京大などの研究チームが18日、米科学誌キャンサーセルに発表した。
 マイクロRNAが激減することで、がん細胞の増殖に関わる別の分子が活性化するといい、渡辺俊樹教授(血液腫瘍学)は「マイクロRNAを確実にがん細胞まで届ける薬を開発できれば、増殖の本丸をたたくことができる。新しい治療法につなげたい」と話している。
 チームは、ATLを発症した患者約200人のがん細胞を詳細に解析。全てで、マイクロRNAの一種が検出できる限界近くまで減っていることを発見した。患者からがん細胞を取り出し、この種のマイクロRNAを入れたところ、殺すことができた。健康な人の細胞に入れてもほとんど悪影響はなかったという。
 チームは、数年以内にマイクロRNAを体内のがん細胞に届ける方法を確立したいとしている。
 ATLは、主に母乳を介して成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)に感染するのが原因。HTLV1の感染者は国内で約110万人に上り、このうち約5%がATLを発症し、毎年約千人が死亡している。(山陽)

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