Tuesday, March 13, 2012

免疫細胞を血管へ道案内、研究チームが解明、難病治療にも

免疫の主体となるリンパ球は、血管の細胞が出す物質を道しるべに血管内に入り全身で働くようになることを国立循環器病研究センター(大阪府)や東北大、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)などのチームがマウスで突き止め、13日付の米医学誌電子版に発表した。
 この物質はスフィンゴシン1リン酸(S1P)。国循センター研究所の福原茂朋室長は「S1Pの分泌を抑える薬剤ができれば、免疫が自分の神経細胞を攻撃する難病の多発性硬化症や、免疫の関与が考えられる動脈硬化症、花粉症などのアレルギー疾患の治療のほか、臓器移植時の免疫抑制剤として使えるかもしれない」と話している。
 リンパ球は骨髄や胸腺などのリンパ組織で作られ、血管内に移動する。
 チームは血管の壁の細胞にあるタンパク質スピンスター2に着目。このタンパク質を作れないマウスでは、血中のS1Pの濃度が約半分に減少し、リンパ球もほとんど見られなくなった。
 血管壁の細胞で作られたS1Pをスピンスター2が骨髄や胸腺、血管内などに放出していた。リンパ球はS1Pの濃度が高い方へ移動し、血管壁の細胞の隙間を擦り抜けて血管内に入るとみられる。(山陽)

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