頭痛治療薬「ナラトリプタン」がタンパク質の一種「CGRP1」を減少させ、筋萎縮などを引き起こす神経変性疾患の症状を抑えることを、名古屋大大学院医学系研究科の祖父江元教授(神経内科学)らの研究チームが突き止め、1日に米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
祖父江教授は「他の神経変性疾患への応用が期待できる」としている。
神経変性疾患は、神経細胞の内外にタンパク質が異常蓄積して細胞が障害を起こし死ぬことで起こる。研究チームは今回、疾患の一つで男性のみに発症し、筋力低下や筋萎縮を引き起こす「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」に注目した。
SBMAを発症させたマウスの遺伝子を解析すると、CGRP1が通常より増加していた。体内でCGRP1が作られないよう遺伝子を改変したSBMAのマウスは症状が改善した。
チームはさらに、人間の培養細胞に複数の薬を投与して効果を調査。その結果、ナラトリプタンを投与すると約5日後にCGRP1が半減するなど効果がみられた。SBMAを発症したマウスにナラトリプタンを投与すると、歩行機能や握力、生存期間で改善がみられたという。
祖父江教授は「CGRP1は人間が通常持っているタンパク質だが、異常蓄積することで細胞に障害を起こす新たな働きを発見できた」と説明している。(山陽)
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