脳や脊髄の神経が炎症により損傷する難病「多発性硬化症」で傷ついた神経が、周囲の血管から分泌される物質により一部再生することを大阪大などのチームがマウスで突き止めた。
物質は血管を広げる作用などを持つ「プロスタサイクリン」で、人間にもある。チームの村松里衣子大阪大助教は「同症や脊髄損傷で傷ついた神経を再生させる薬の開発につながる可能性がある」としている。成果は米医学誌ネイチャーメディシンに掲載された。
チームは、マウスの神経細胞と血管の細胞を一緒に培養。血管の細胞から分泌されたプロスタサイクリンの働きで、神経細胞から伸びる突起が長くなることを発見した。
多発性硬化症のように脊髄に炎症が起きるマウスに、プロスタサイクリンの働きを活発にする薬剤を投与すると、投与しなかったマウスと比べ症状改善までの日数が約半分に縮まった。多発性硬化症では炎症で傷ついた神経の周辺に新たな血管ができ、神経の一部が再生するが、仕組みは不明だった。
多発性硬化症の国内推定患者は約1万2千人。白血球などの免疫細胞が自分の神経細胞を攻撃して起きるとされ、手足のしびれや視覚障害のほか体がまひすることもあり、悪化と好転を繰り返す。
(山陽)
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