行動を起こす際の「やる気」に関与する神経伝達物質「ドーパミン」は、記憶力にも欠かせないとみられることを京都大霊長類研究所(愛知県)のチームが、アカゲザルを使った実験で明らかにし、8日付の米科学誌ニューロン電子版に発表した。
脳内でドーパミンの放出が減ると、意欲だけでなく記憶も低下すると考えられ、チームは、脳の構造が似るヒトでも同じ現象が起きるとみている。ドーパミン異常で発生するパーキンソン病やうつ病では認知障害が伴うことがあり、治療につながるとしている。
チームは、アカゲザルに、一つの図形が映った第1画面を見せ、次に、この図形を含む複数の図形を映した第2画面を見せ、この中から第1画面の図形を選べるようにした。
この間のドーパミン放出量を調べると、第1画面を見た直後に増加しており、記憶力や注意力を使う場合にドーパミンが必要とみられることが分かった。ドーパミンを生み出す神経細胞を調べたところ、やる気を高めるものと、記憶に関わるものとでは、脳内の分布場所が異なっていた。
高田昌彦教授は「パーキンソン病の症状は運動障害のほか、認知障害や意欲低下などさまざま。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を応用する治療で、症状の特徴に応じ、iPS細胞から作った神経細胞を移植する部位を決めれば、効果的に治療できる」としている。(山陽)
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