肺腺がんの生死決める酵素を特定、名大の研究グループが成功
肺がんの過半数を占める「肺腺がん」で、がん細胞の生死を決める酵素を特定するのに、名古屋大の高橋隆教授(分子腫瘍学)らの研究グループが成功、米科学誌キャンサーセル電子版に19日付で発表した。
酵素は「ROR1」と呼ばれ、この酵素を抑制すると治療薬「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)が効かなくなったがん細胞の増殖を抑える実験結果が得られた。高橋教授は「極めて予後の悪い肺腺がんの革新的な治療法に結び付くことが期待される」。
肺腺がんには「TTF―1」という遺伝子があるが、肺の正常な機能を維持する働きも担っているため、この遺伝子を標的にした治療はできなかった。グループはTTF―1が、がん細胞を生存させている仕組みを調べていた。
グループは、TTF―1がROR1を働かせ、がん細胞を生存させる役割を担っていることを発見。シャーレ上で培養した細胞を使った実験で、ROR1酵素の働きを抑え、経過を観察。酵素の働きを抑えない細胞と比べ、約1週間で5~6倍のがん細胞が死滅した。
イレッサは、がん細胞の増殖に関わる「EGF受容体」というタンパク質の働きを抑えるが、がん細胞に耐性ができて効かなくなることがある。ROR1の働きを抑制すれば、イレッサが効かなくなった細胞でも増殖を抑えられると、実験で確認できた。(山陽) Tweet

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