Sunday, June 10, 2012

兵庫と大阪、基準値で対立 焼却灰埋め立て


東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の受け入れをめぐり、最終処分場の大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックス)に埋める焼却灰の基準値について、兵庫県と大阪府が対立している。「漁業への風評被害が心配」などとして「1キログラムあたり100ベクレル以下」という厳しいハードルを求める兵庫県に対し、大阪府は「科学的な裏付けが必要」と関西広域連合が定める同2千ベクレル以下を譲らない。フェニックスを利用する京都府と滋賀県は「兵庫と大阪で話し合いを」と“静観”の構えだ。(木村信行)  国が示す焼却灰の埋め立て基準は、1キログラムに含まれるセシウムが8千ベクレル以下。これに対し、大阪府は専門家会議を設置し、同2千ベクレル以下と独自に規定。関西広域連合も大阪府の基準を踏襲する。  兵庫県と大阪府によると、5月15日に開かれたフェニックスの会合で、兵庫県側が、(1)焼却灰は100ベクレル以下(2)(放射能濃度を下げるため一般ごみと混ぜる)混焼率は3%(3)焼却灰はコンクリートで固化処理‐の3条件を提案。同19日の関西広域連合の非公式協議でも井戸敏三知事が「兵庫案」を説明した。  これに対し、大阪府の松井一郎知事は「受け入れが進まなくなる」と批判。大阪市の橋下徹市長も「(2千ベクレル以下を基準に大阪市が独自に進める)北港処分地にも影響する」と反論したという。  大阪府の担当者は、核医学の大学教授らを交えた専門家会議の検討結果を踏まえ、「風評被害の懸念は大阪も同じ。安全性について科学的な裏付けのない主張は説得力に欠ける」と主張する。  一方、兵庫県は、放射性物質として扱う必要のないレベルの100ベクレル以下にすることで「住民の安心と理解につながる」と説明。国のガイドラインでは、がれきを焼却した際のセシウムの灰への濃縮は33倍とされており、混焼率を関西広域連合が示す5-10%から3%にすれば「焼却前のがれきが(同連合基準の)100ベクレル以下であれば、灰も100ベクレル以下に抑えられる」とする。  京都市や高島市などが受け入れを検討している京都府と滋賀県の担当者は「兵庫と大阪でしっかり調整してほしいが、最終的にはフェニックスが決めること」と話す。  大阪湾フェニックスセンター(大阪市)は、環境省の安全性評価を受ける前に独自の受け入れ基準を決める方針で「参加自治体の意向を聞いた上で検討する」としている。 ◆震災がれきの最終処分  関西でがれきの受け入れを検討している大阪、京都、兵庫、滋賀の各府県の市町の大半は最終処分地に大阪湾フェニックスを想定。神戸、尼崎、大阪、泉大津の4市沖の計約500ヘクタールが候補地となる。国の統一基準のない海面埋め立てのため、受け入れには環境省の安全性評価が必要。大阪市は人工島・夢洲(ゆめしま)の処分場で評価を終えており、早ければ秋の試験焼却を表明している。(神戸)

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