薬で発作を抑えにくい難治性てんかんの多くを占める「側頭葉てんかん」は、子どものころに風邪やインフルエンザの発熱で起こるけいれん(熱性けいれん)によって脳に興奮しやすい神経回路が形成されるのが原因だとする研究結果を、東京大のチームが15日付の米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
これまで、側頭葉てんかんと熱性けいれんの関連は指摘されてきたが、因果関係や仕組みははっきりと分かっていなかった。チームは新たなてんかん予防法につながる可能性があるとしている。
チームはネズミの仲間のラットの脳の一部で、海馬と呼ばれる部位を切り取って観察。脳の神経細胞はできた場所から成長に伴って移動するが、生後約10日に熱性けいれんを発症させたラットでは、成長過程の未熟な神経細胞が、できた場所の近くにとどまってしまうことを発見した。こうして残った細胞が興奮しやすい異常な神経回路を作り、てんかん発作を起こしやすくしていた。
さらに、未熟な神経細胞が興奮しなくなる薬を投与すると、てんかん発作を予防できることをラットの実験で確かめた。
チームの池谷裕二准教授によると、乳幼児の熱性けいれんの治療で使われる薬の中には未熟な神経細胞を興奮させる可能性があるものがある。(山陽)
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