さまざまな臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)がどれくらい肝細胞に育ちやすいかは、iPS細胞を作るもとになる細胞の提供者(ドナー)の影響が大きいことを京都大の青井貴之教授らのグループが解明し、16日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
iPS細胞は再生医療への応用が期待されているが、目的の細胞になりきらないまま移植するとがん化の恐れがある。今回の成果は、肝細胞に育ちきっていない細胞を排除するのに役立つ可能性があるという。
肝細胞は、服用した薬を分解するため、新薬開発で毒性や副作用を調べるのにも重要。
グループは、ドナー3人の皮膚と末梢血からとった細胞をもとにiPS細胞を作り、21日間培養した。肝臓が作るアルブミンというタンパク質の量を指標に、肝細胞に育つものと育たないものを見分けた結果、アルブミンの量はドナーによって平均で3倍程度の違いがあり、ドナーの影響が大きいと分かった。
青井教授は「もとになった細胞の種類による影響も否定できないが、違いが出るメカニズムを解明したい」としている。(山陽)
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