重症の糖尿病患者への治療法として注目されている、膵臓の細胞組織「膵島」の肝臓への移植で、一番の課題だった拒絶反応を抑える新たな手法の開発に、福岡大(福岡市)と理化学研究所(埼玉県和光市)の研究チームが成功した。福岡大が7日、発表した。
厚生労働省の2007年の統計では、国内で糖尿病が強く疑われる人は約890万人。
福岡大医学部の安波洋一教授によると、このうち血糖濃度を調節するためインスリンを毎日注射しなければならない重症患者は約10万人いる。インスリンを作る膵島の肝臓移植は注射が不必要となる画期的な治療法とされる。しかし、移植した膵島は拒絶反応で約6割が死滅することから、移植を2~3回繰り返さなければ効果がないという。1回の移植に1人分の膵臓を使うため、国内での移植は18例にとどまっている。
研究チームは、拒絶反応の原因が、タンパク質の一種で、細胞にカルシウムを運ぶ「NCX」だと突き止め、膵島のNCXの働きを薬剤で止めてから移植する方法を開発。糖尿病マウスに移植すると、細胞は死滅せず定着した。
安波教授は「実際に人への治療が始まれば、1回の移植で治療でき、移植治療の件数も増える」と話している。(山陽)
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