降圧剤ディオバン(一般名バルサルタン)の臨床研究にデータ操作があった問題で、厚生労働省の検討委員会は30日、不正に操作された研究論文を製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が販売促進に利用したことは薬事法で禁じる「誇大広告」に当たる恐れがあるとした中間報告をまとめた。
厚労省はノ社への立ち入り検査も視野に、薬事法違反に当たるかどうか調べる。研究ではノ社の元社員が統計解析を行っていた。報告は研究に組織的に関わった製薬会社と研究を行った大学を厳しく指弾、臨床研究の信頼性確保に課題を突き付けた。
ノ社の二之宮義泰社長は記者会見し「指摘を厳粛に受け止め反省する。当局の調査に全面的に協力したい」と述べた。
ノ社は2006年から今年にかけ、ディオバンが他の降圧剤に比べ脳卒中や狭心症などを減らせるとした東京慈恵医大と京都府立医大の論文を、のべ700種類以上の医師向け説明資料や広告などに引用した。研究をした教授側にノ社が多額の寄付金を拠出、統計解析をした元社員を上司が支援したことなどから、検討委はノ社の組織的な関与を認定した。
検討委は、患者に不安を与え、日本の臨床研究への信頼性を大きく損ねるなど「国益の損失にもつながる重大な問題」と指摘。管理能力を欠いたまま、医学的な意味の疑わしい研究を実施した大学の責任も重大とした。(山陽)
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