感染した細菌の毒で多臓器不全などを起こす敗血症の免疫反応を調整する仕組みをマウスの実験で解明したと、渋谷彰筑波大教授(免疫学)らが23日付の米医学誌電子版に発表した。効果的な予防法の開発につながる可能性があるという。
敗血症は肺炎や腹膜炎、手術に伴う感染で多く発症する。世界で毎年100万人が死亡、日本でも同38万人以上がかかるとされるが、有効な予防法や治療法はまだない。
渋谷教授らは、特定の免疫細胞の表面にあるタンパク質に着目。このタンパク質は、細菌に感染して死んだ細胞が周囲にあると、細菌を退治する白血球を引き寄せる物質を減らす働きがあることが分かった。
通常のマウス15匹に腹膜炎を発症させると、100時間後までに全てが敗血症で死んだが、このタンパク質がつくられないように遺伝子操作したマウスのグループは約4割が生き残った。
通常のマウスでも、周囲にある死んだ細胞をこのタンパク質が感知しないような物質を注射すると、生存率は上がったという。
渋谷教授は「感染したところに1、2回注射すれば、一時的に白血球が増えて敗血症を予防できる」としている。(山陽)
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