Tuesday, April 22, 2014

ネット利用で自殺願望強まる 岡山大病院・稲垣講師ら調査


 インターネット上で匿名の他者に「死にたい」と打ち明けたり自殺の方法を閲覧すると、自殺願望はより強まる―。岡山大病院の稲垣正俊講師(精神医学)らのグループが行った自殺に関する調査で、こんな結果が出た。ネットを活用した自殺予防策の立案に役立つことが期待される。  調査は2011年1〜3月、ネットを利用する20〜40代の男女約10万人のうち「匿名他者に自殺願望を伝えた」「自殺方法に関する情報を見た」など自殺に関する四つの問いに一つでも「はい」と答えた(1)群と、いずれも「いいえ」とした(2)群を各4千人抽出。自殺願望▽絶望感▽抑うつ状態▽孤独感―の4項目を測るアンケートを行い、6週間後に同様の質問をして回答の変化の差を比べた。  その結果、自殺願望と抑うつ状態の伸び幅は(1)群が(2)群をわずかに上回ることが判明。絶望感と孤独感は差がほぼなかった。一方、(1)群のうち匿名の他者に心の悩みを相談した人は、自殺願望に変化はなかったが、抑うつ状態が悪化していたという。  警察庁の調べで12年、国内の自殺者は15年ぶりに3万人を切ったが、13年も2万7195人。政府は12年8月、自殺総合対策大綱を閣議決定し、重点施策にネットの活用を盛り込んだ。  稲垣講師は「専門家による相談など、ネット上での支援が増えれば自殺願望を高めることなく、自殺予防も可能かもしれない。この結果をより適切な対策に生かしてもらえれば」と話している。(山陽)  

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